高山の観光名所【高山陣屋】事前に学習して見どころをおさえておこう
こんにちは。全国通訳案内士のYUICHIです。
高山は飛騨の小京都と呼ばれており、日本の伝統的な工芸品や建築物などが数多く観られ、国内外の観光客に人気の観光地です。
その中でも、高山陣屋は高山観光のハイライトとして、とても多くの来館者数を誇ります。
しかし、「たかやまじんや」って聞いたところで、一体どんな建物なのか想像もできませんよね。
今回の記事では、高山陣屋についてしっかり学んで、いざ訪れたときに沢山満喫できるようにしておきましょう!
高山陣屋への行き方
高山陣屋はJR高山本線「高山駅」から10分ほど歩いた場所にあります。
行く途中には「さんまち通り」といって国の重要伝統的建造物群保存地区として昔ながらの景色が今でも大切に保存されている美しい町並みが広がっています。
そもそも高山陣屋って何?
高山陣屋はとても人気のある観光地ですが、その名を聞いてパッと何かわかる人はそれほどいないと思います。かく言う僕も全国通訳案内士国家試験を受けるまでは、名前こそ知っているけど、どのような建物なのかまったく知りませんでした。
高山陣屋とは、幕府直轄領の行政センターです。
まだ分かりにくいですよね・・・。
平たく、かつ誤解を恐れずに言えば、県庁、区役所、市役所のようなもの、または法務局や税務署など国の出先機関と思っていただければいいです。
市役所なら皆さんが住んでいる街にもありますよね。
住民票を取りに行ったり、助成金の申請に行ったり、苦情の申し立てに行ったりするところです。
市役所との大きな違いは、高山陣屋は警察組織も一緒になっているところです。
もっと大きな違いは、国家の最高権力に相当する組織の直轄地にあるお役所ということなのですが、それ以上は話が長くなりそうなので、この辺で・・・(笑)
高山陣屋では何が観られる?
高山陣屋がお役所の建物だということが分かったので、次は中で何を観られるのかを見ていきましょう。
玄関の間・大床
実は、高山陣屋の玄関に相当する場所は7箇所もあり、訪れる人の身分によって入口が決められていました。高山陣屋の正面に位置するこの玄関は、代官のほかは幕府から派遣されてきた高官だけが出入りを許されていました。
ちなみに、玄関だけでなく畳の縁にも格式の違いが現れているので、興味のある人はじっくり観てみてくださいね。
現代人の我々は、普通にこの玄関から中へ入ることができます。最初に観られるのが大床の「青海波(せいがいは)の文様」です。青海波はその名の通り、海の波を模しています。この模様は江戸時代にとても流行したそうで、未来永劫、繁栄と平和が続くようにという祈りを込めて描かれたそうです。
大広間(1816年改築)
大広間は年中行事や公的な会議に使われていました。
とても広い部屋で、襖を使って三室に区切ることもできます。ここから観られる様子は、大河ドラマや時代劇などでもお馴染みなのではないでしょうか。
御役所・御用場
高山陣屋の中枢機能を担う部屋です。ここでは、代官の部下である下級武士が年貢徴収、山林管理、警察、裁判など多くの地方行政に関わる執務が執り行っていました。
御白洲(おしらす)・吟味所
吟味所は刑事事件の取り調べ、御白洲は民事関係の直訴を受付けていた部屋です。今でいうところの市役所の窓口と警察の取調室が一緒になっている感じ。現代とはずいぶん違いますよね。
御蔵
こちらは年貢米を貯蔵する蔵として使われていました。なんと高山城から移築された1695年から300年以上も同じ姿をとどめていることになる建造物です。
寺院・詰所
こちらはお坊さんや町役人など、代官の補助をする職務を行う人たちの控室として使われていました。
嵐山之間・庭園
こちらは代官の居住空間です。何故かここだけは1996年に復元されたものになります。庭園も設られていて何とも格式の高いお部屋ですね。
高山陣屋 まとめ
今回は、国内で唯一現存する代官所である高山陣屋をご紹介しました。いかがでしたか?
高山陣屋というのは、平たくいえば、お役所の建物です。
ただし、お役所といっても江戸時代のものですから、我々現代人が持っているイメージとは少し異なるので、難しくもあり、面白くもありますよね。
当記事を読むことで、ちょっと小難しい高山陣屋のイメージを少しでも掴んでいただければ幸いです。
そしてイメージを掴むことができれば、高山陣屋の見学がより楽しいものになることは間違いないですよ。
高山陣屋
開館時間(4月1日〜10月31日):8:45-17:00
開館時間(11月1日〜3月31日):8:45-16:30
休館日 :12/29, 31, 1/1
料金 :440円(高校生以下無料)
江戸時代の面影が色濃く残る高山には他にも魅力的な観光スポットが沢山あります。高山の観光については以下の記事にまとめてありますので、ご覧ください。
それでは、良い旅を!