富山県東部

富山の砂防堰堤はどこに?立山の入り口小見&千垣エリアを歩いてみた

YUICHI

富山地鉄電車に乗って、砂防堰堤近くの集落を訪ねました。重要文化財に指定された砂防ダムやほっこりさせる昭和レトロの小さな駅舎などが魅力です。

富山市小見エリアは富山地鉄「有峰口駅」。立山町の千垣エリアは「千垣駅」で降ります。

この2つのエリアは常願寺川を挟んでとなり同士です。

電鉄富山駅から45分(稲荷町駅からは42分)で有峰口駅に到着。駅周辺では雄大な山々や渓谷美が観られ、雄大な自然を満喫できます。

このエリアには小見や千垣のような小さな集落も点在しており、都市部とはひと味違った雰囲気があるのも特徴のひとつです。

今回利用する駅における乗車方法は以下の通りです。

駅名 駅員の有無 乗車方法 降車方法
電鉄富山駅 有人 自動券売機で切符を購入し改札で提示 切符を改札で提示
稲荷町駅 有人 自動券売機で切符を購入し改札で提示 切符を改札で提示
千垣駅 無人 乗車時、先頭車両にて整理券を取る 運賃表示版で運賃を確認。降車前に車内の運賃箱に現金投入
有峰口駅 無人 乗車時、先頭車両にて整理券を取る 運賃表示版で運賃を確認。降車前に車内の運賃箱に現金投入

※Suica, Icoca など全国系 IC カードを使った支払には対応していません。(2022年6月24日現在)


小見エリア|重要文化財 本宮砂防堰堤は人間の偉業を感じさせる砂防ダム

電鉄富山駅から45分(稲荷町駅から42分)で「有峰口駅」に到着。

「有峰口駅」は、もともと小見駅という名前だったそうです。

駅舎の上部を見ると旧駅名が右横書きで書かれています。富山地鉄にはよく見られる書き方で、レトロな趣がいっそう感じられますね。

駅舎の西側にはお手洗いが。それほど汚くはありませんが、春から秋にかけて虫が多いので気を付けて利用してください。

駅前の通りを20メートルほど歩くと、左手に階段が。ここから本宮砂防堰堤まで徒歩6~7分ほどです。

本宮砂防堰堤は白岩砂防堰堤、泥谷砂防堰堤とともに常願寺川砂防施設と呼ばれており、砂防施設として初めて国の重要文化財に指定されました。

これらの砂防堰堤には、立山カルデラから流出する土砂をせき止めて貯砂する機能があります。近代以降でもっとも優れた砂防技術を採用しており、なんと世界中の土木関係者から注目を集めている場所なのです。

常願寺川砂防施設のおかげで、富山平野が土砂災害から守られています。

そう考えると、我々富山市民にとって大変ありがたい施設なのですね。

堰堤は高さ22メートル、全長107.4メートル、貯砂量はなんと500万立方メートルです。

常願寺川を覆うようにたたずむ堅牢な堰堤と立山連峰から降りてくる水のカーテンは見ごたえ抜群ですよ。

ところで小見エリアは、常願寺川沿いで立山連峰へ至る道の途上にあるため、立山町の一部のような印象を受けますが、実のところ小見地区は富山市の一部なのです。

厳密にいうと小見地区は、平成の大合併で富山市に編入された大山町の一部ということになります。


「小見」の交差点から南へ進むと有峰への玄関口が

大山町には有峰湖や薬師岳など、それほど有名ではありませんが魅力的な観光地が数多くあります。

富山地鉄「有峰口駅」から南へ5分ほど歩くと、「小見」の交差点が見えます。

そこから先へ進むと亀谷温泉有峰スーパー林道があります。

これが有峰湖や薬師岳に続く道です。

興味のある方はぜひ次の富山ひとり旅で挑戦してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、亀谷エリアには Turtle Valley Toys というおもちゃ屋さんがあります。こちらのお店では、アメリカ出身おもちゃ職人さんが県産木材を使ったおもちゃを製造・販売しています。

富山の山奥にアメリカ人の職人さんが住んでいるなんて意外な感じがしますよね。有峰登山の前にちょっと立ち寄ってみるのも面白いかもしれませんよ。


芳見橋|富山市から立山町へ掛かる橋から観れる絶景スポット

「小見」の交差点とは反対に北へ10分ほど歩くと芳見橋があります。

そこからは常願寺川と本宮砂防堰堤の絶景を楽しむことができます。

小見・千垣エリアでもっとも景色の良い場所なので、ぜひ散策してみてくださいね。

芳見橋をわたり、右へ曲がって3分ほど歩くと富山地鉄「千垣駅」が左に見えます。


立山町千垣エリア|急傾斜地に広がる小さな集落

千垣エリアは県道6号線を挟んで南北に広がる急傾斜地。大雨が降ったときは土砂崩れなどが心配されるエリアですが、これまでのところ大きな被害がでたという話は聞いていません。

ただし、災害の起こりうる地域ということで、むやみに自然に手を加えることがないよう集落の至るところで注意喚起されています。

集落の西側には白山神社があり、敷地内には大きな銀杏の木が植わっています。

巨木に囲まれた厳かな雰囲気の中にある神社を見ると、この地が本当に山の神様に守られている感じがしますね。





レトロな雰囲気が旅人のこころをつかむ千垣駅の駅舎

千垣といえば、駅舎自体がひとつの見どころになっています。

車で前を通過すると単なる廃屋にしか見えないため、なかなか気が付かないのですが、電車で訪れるとなかなかに趣のある駅舎です。

中に入るとこじんまりとした待合室があり、ベンチにはいくつかの座布団が敷いてあります。こういうちょっとしたおもてなしは嬉しいですよね。

大都市の鉄道駅にはまったく見られない光景なので、それだけでも訪れてみる価値はあるのではないでしょうか。

駅事務所の窓口傍には、多くの鉄道利用者から寄せられたメッセージが書かれたノートが3冊置かれていました。

それらを見ると千垣駅が皆に慕われている駅であることが伝わります。

また、千垣駅は立山博物館、芦峅寺、まんだら遊園への玄関口でもあります。富山地鉄がバスを運行しているので、そちらへ足を伸ばすのもオススメです。詳しくは別の記事でご紹介しますね。

今回の記事は以上です。

富山地鉄で集落を訪れるモデルコース、いかがでしたか?

普段、都市部に住んでいると、その慌ただしさからあっという間に時間が過ぎ去っていきますよね。

時々小見や千垣のような静かな集落エリアを訪れ、ゆったりとした時の流れを感じてみるのもいいのではないでしょうか。

それでは、良い一日を!

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著者プロフィール
YUICHI
YUICHI
全国通訳案内士
富山県富山市生まれ。観光庁認定英語通訳案内士。
愛知県の航空機関連メーカーで務めたあと、全国通訳案内士国家資格を取得。通訳ガイドとして、訪日外国人の観光ガイドを主に富山、石川、岐阜の観光名所・史跡を案内する。近年はHTML/CSSやPHP、Photoshopなどを使ってWEB制作にも携わっている。趣味はウォーキング、温泉、読書、料理など。

「せっかく富山に来たのなら、たくさん楽しんでいってくださいね!」
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