英語の助動詞は色々ある?疑似法助動詞や相助動詞も押さえておこう
こんにちは。通訳案内士のYUICHIです。
今回は疑似的な助動詞やあまり使わない助動詞について紹介していきます。
英語の助動詞というと、can や will など一語で動詞の前に付いているイメージですよね。これらの助動詞は法助動詞と呼ばれており、人称によって語末が変化せず、常に動詞の原形を連れてくるという性質があります。
しかし、英語には複数の単語を組み合わせて助動詞のように機能する相助動詞や、
後に続く品詞が動詞の原形ではなく、現在分詞や過去分詞を連れてくる疑似法助動詞のようなものもあります。
疑似法助動詞
助動詞とは、動詞のほかに前置詞や副詞をともなって、あたかも(疑似的に)一語のように取り扱われる助動詞です。
相助動詞は、法助動詞と違って主語の人称に合わせて語末が変化します。また、疑問文を作るときは、一般動詞と同様に do/did を使わなければいけません。
have to|義務、必要性
have to で「~しなければならない」という意味になり、主語の行うことについて、義務や必要性を表現します。
【例文】
① I have to wait in line here to buy the train ticket. 電車の切符を買うのに、ここで並んで待ってなければいけないんだ。
② Did you have to get up early to attend the meeting? 君はその会合に参加するために早起きしなければならなかったの?
③ He has to study harder to pass the exam. 彼はその試験に合格するためにしっかり勉強する必要がある。
以上のような使い方をします。
あまり英語に馴染みのない方なら、「なんで、have(持つ)と to (~へ)で、『~しなければならない』っていう意味になるんだろう?」って不思議に思うかもしれませんね。
しかし、言語は生き物ですから、いちいち理由を求めていては、日が暮れてしまいます。
ここでは「have to」という相助動詞があって、それは「~しなければならない」という意味なんだな、と割り切って覚えてしまいましょう。
had better|命令、忠告、提案
こちらも単語の基本的な意味からは想像しにくいですが、「~するのがよろしい」という提案の意味を付け足す疑似法助動詞です。
have の過去形のように見えるので、ついつい to を付けたくなりますが、付かないのでご注意を。しかも、過去形としての使い方がありません。
「had better」には、かなりキツめで、上から目線のニュアンスが含まれますので、めったに使うことはありませんね。
なので、本当に強い気持ちで相手に忠告したいとき以外は使いません。英会話に慣れないうちは、should や have to で代用するのがお勧めです。
【例文】
① You had better finish your homework before dinner. 夕食の前に宿題を終わらせなさい。
② You had better avoid crowded places to protect yourself from the virus. 君はウィルス感染から身を護るために混雑したところを避けるべきだ。
相助動詞
相助動詞とは、後ろに動詞の原形が続く法助動詞とは異なり、後ろに現在分詞または過去分詞が続く助動詞です。
be|進行形、受動態を作る
そもそも be という動詞は be 動詞と呼ばれており、他の動詞とは別格扱いされています。それは、主語の人称、単複、時制によって様々に語形が変化するし、分詞をともなって特別な働きをするからです。
be の基本的な意味は「~がいる(存在)、~である(状態)、~になる(変化)」です。
以下に、be の後に現在分詞または過去分詞を伴った場合に起こる意味の変化を見ていきましょう。
【現在進行形】be + ~ing(現在分詞)→ ~である(状態)、~している(変化)
【例文】
① He is laughing at me because I said something silly. 私がばかげたことを言ったので、彼は私を見て笑っていた(笑っている状態だ)。
② I was getting nervous as the interview time approached. 私は面接の時間が近づくにつれて徐々に緊張していった(徐々に緊張していく変化が見られた)。
【受動態】be + ed※(過去分詞)→ ~された(受け身)、~になった(変化)※過去分詞は語形が完全にかわることもあります
【例文】
① The movie was watched by many people. その映画は多くの人に観られた(観られる行為を受けた)。
② I was bored with his repeatedly advices. 私は彼から繰り返し受ける忠告にうんざりするようになった(うんざりする気持ちに変化した)。
have|完了形を作る
have は、過去分詞を後に付けて現在完了形や過去完了形を作り、動作に「~したところだ(完了)」、「~したことがある(経験)」、「~の状態が続いている(継続)」などの意味を付け足します。
【現在完了形】have + ed※(過去分詞)※過去分詞は語形が完全にかわることもあります
【例文】
① I have just finished my work. 私はたった今仕事を終えたところだ(仕事を完了した)。
② She has been to Italy many times. 彼女は何度もイタリアに行ったことがある(行った経験がある)。
③ The train has operated since the early Showa period. その電車は昭和初期から運行している(運行された状態が続いている)。
do|疑問文、強調
do には文頭に置いて疑問文を作る機能と、肯定文の主語の後に置いて意味を強調する機能があります。
【例文】
① Did you go to the library yesterday? 昨日図書館に行った?
② I do appreciate your assistance. あなたの支援には本当に感謝しています。
このように、①の did で始まる疑問文はそれ自体に意味はありません。あくまでも、「この文は疑問文だぞ」という信号を送るだけです。
しかし、肯定文で do を助動詞として使う場合は「とても〜」とか「大変〜」、「本当に〜」のように、動詞を強調する意味が含まれます。
あまり使われない助動詞
最後に存在感の薄い助動詞を紹介します。
dare「思い切って~する」
れっきとした法助動詞ですが、ほとんど聞いたことがなく、たまに映画で聞く程度のフレーズです。
使う場面があるとすれば、以下のように、ちょっと相手のやってる/言っていることに対して憤りや呆れを感じたときでしょうか。
How dare you say such a thing! よくもまあ、そんなことがいえるものだ。
ought to「~すべきである」
ought to は限りなく should に近い意味を持っている疑似法助動詞です。
あえて違いを言うとしたら、以下のようになります。
should = 主観的な義務、提案、推量
ought to = 客観的な義務、提案、推量
should の意味については以下の記事で確認しましょう。
意味的には違いの少ない should と ought to ですが、話し言葉では圧倒的に should がよく使われます。正直なところ、英会話をできるようにすることが目的であれば、ought to は別に知らなくてもいいのではないかと思います。
まとめ
今回の記事では、have to や is ~ing など、少しイレギュラーな形の助動詞を説明しました。
相助動詞や疑似法助動詞などは、法助動詞同様に動詞を助けるというちゃんとした役割を担っています。
法助動詞である can や should などとは形や用法が随分異なりますが、英会話で頻繁に使われるものですので、しっかりとマスターしておきたいところですね。
また、dare や ought to など、ほとんど使わないものもあるので、学習時間を無駄にしないようポイントだけをしっかり押さえていきましょう!
それでは。最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。