米国のご夫妻(2024/9/27)「神社の参拝方法を教えてほしい」
こんにちは。全国通訳案内士のYUICHIです。
通訳ガイドエージェントからのご依頼を受け、米国・カリフォルニア州の素敵なご夫妻を高山へご案内してきました!
お客様は日本の伝統文化にとても興味をお持ちでした。旅程には宮川朝市が含まれていましたが、お土産物よりは神社やお寺など日本の宗教建築に興味を持っていらっしゃったので、朝市はささっと通り抜けて、高山市内で最も大きい「櫻山八幡宮」へ向かいました。
ご滞在は「飛騨亭花扇」
飛騨亭花扇は高山市の中心市街地から3〜4キロメートルほど離れた場所にある旅館です。
高山駅から少し距離があるため利便性は落ちますが、高級感のある旅館なので富裕層の観光客にとても人気があります。旅館のシャトルバスを活用すればわりと快適に市内観光できます。
お客様のご要望
旅程には「宮川朝市」や「高山陣屋」など、高山市内を代表するスポットが設定されていました。しかし、今回は4時間の行程だったので、なるべく無駄を省きつつ、お客様のご要望をしっかり叶えてあげようと思いました。
お客様のご要望をヒアリングしたところ以下のように仰っていました。
- 今後の旅程が長いから、お土産物を買うのは控えたい
- 日本の神社・仏閣に興味がある。参拝マナーを含めぜひ教えてほしい
- 日本酒も少し興味があるので途中で立ち寄りやすい利酒のお店があれば行ってみたい
櫻山八幡宮の鳥居をくぐるときは…
クリスチャンであるお客様にとって、日本古来の宗教である神道は本当に未知の宗教。まずは鳥居の通り方からお伝えしたいと思ったのですが、一点気になることがありました。
宮川朝市から櫻山八幡宮に行こうと思うと、ついつい朝市の北の端である弥生橋の先へまっすぐ進んでしまうのですが、そうすると鳥居の裏に辿り着くことになります。
鳥居は俗世と神社の境界線です。日本人であれば、鳥居をくぐる前に神聖な雰囲気を感じとり、一礼するもの。
なので、お客様に鳥居についてちゃんと説明したいときは、少し面倒ですが、一旦弥生橋を渡って川の西側にある道からアクセスするのが一旦弥生橋を渡って川の西側にある道を通り、宮前橋から入るのがおすすめです!
神道の説明をすると…
お客様ご夫妻は敬虔なクリスチャンでしたが、とても真剣に神社の参拝方法について聞き入っていらっしゃいました。
お客様には、唯一神Godを信じるキリスト教と違い、神道には火の神様や水の神様、武芸の神様、学問の神様など、色々御坐すことを説明させていただきました。神道が多神教の性格を持つものはご存知だったようです。
またご主人様は「世の中で信じられている神様はたくさんいるけど、神様自身はなにも信じていないんじゃないかな」ととても興味深いことを仰っていました。
さんまちの酒造店へ
櫻山八幡宮から高山陣屋へ向かう途中でたまたま見つけた「平田酒造場」造り酒屋さんに入ってみました。
お客様は、純米酒、吟醸酒、古酒など色々なタイプのお酒が並んでいるのを見て、圧倒されていました。好みを伺うとあまり香りの主張がなく米由来の風味だけを感じられるお酒が良いと仰っていました。
ということで、僕が勧めたのは純米酒。精米歩合が低く、米本来の雑味や香りのみ感じられるタイプのお酒です。
まとめ
今回は米国カリフォルニア州からお越しのご夫妻を高山へご案内しました。
飛騨亭花扇にご滞在のところを8:30にピックアップさせていただき、シャトルバスで宮川朝市へ。旅程によると朝市にウエイトが置かれていましたが、お客様は日本の伝統的な神社やお寺をみてまわりたいと仰っていたので、櫻山八幡宮を中心に案内させていただきました。
団体ツアーと違って、お客様のご要望や体調に合わせて柔軟に旅程を変更できるのがFITツアーの良いところですね。
今回の記事が現役通訳ガイドの方やこれから通訳ガイドを始める方のお役に立てれば幸いです。