【通訳案内士は覚えておきたい】神社の参拝作法を英語で説明する方法

How to worship shrine
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こんにちは。全国通訳案内士のYUICHIです。

通訳案内士として仕事をするなら避けて通れないのが、神社を参拝するときのお作法です。

日本人にはお馴染みの神社。皆さんのお家の近くにも一つや二つは必ずありますよね。

しかし、いざ参拝の作法を人に教えるとなると「そういえば、正しくはどうするんだっけ?」とアタフタしてしまう人も多いのではないでしょうか。

今回の記事は、神社をお参りするときの作法とそれを英語で説明する方法をお伝えしますので、最後まで記事をご覧いただければ幸いです。

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鳥居をくぐる

鳥居をくぐる

神社を訪れたら必ずといっていいほどお目にするのが「鳥居(とりい)」ですね。

神道の考えによると、鳥居とは「神さまが降りてくる神聖な場所と人間が住む世界の境界を作るために置かれたもの」です。

鳥居の説明

英語の場合、僕は鳥居について以下のように説明しています。

Tori gate was placed to indicate the border between the sacred area, where deities descend, and the human world.

もし、長ったらしくて覚えにくいな、と思った方は “where deities descend(神様が降りてくる)”を省略しても、とりあえずは大丈夫です。

ただし、“gate” は必ず含めるようにしましょう。

僕たち日本人なら、「鳥居」は「神社の入口にある門のようなもの」だと知っていますよね。しかし、外国の方は「トリイ」とだけ聞いてもパッとイメージできません。

“gate” は辞書どおりに訳すと「入口」や「門」を表す単語ですよね。”gate”という単語を含めることによって、外国の方は「ああ、鳥居は “gate(入口)” なんだ」と即座に認識することができます。

なので、まずは頭の中でイメージを作っていただくために、”tori gate” と伝えてあげましょう。

表現方法は色々ありますが、とにかく説明の中に “gate” という単語を入れてあげることが重要です。以下に良い例文とダメな例文を挙げましたので、ご参考になさってください。

× That is called “tori”. Tori is placed to indicate the border between…

⚪︎ That is a gate called “tori”. The tori gate is placed to indicate the border between…

鳥居をくぐるときは…

先ほども説明しましたが、鳥居は神聖な場所と人間世界の境界を示します。なので、鳥居から先へ進む前に神殿の方向に向かって軽く会釈しましょう。

英語では以下のように説明します。

Please bow once before you pass through the tori gate.

手水舎(てみずや)で禊を

手水舎(てみずや)で禊を

拝殿と鳥居のあいだには、たいてい手水舎といわれる手洗い場が設置されています。手水舎では、両手を洗って、口をすすぎますね。

この行為を「禊(みそぎ)」、英語では “purification” といいます。

禊(みそぎ)とは

神道の考え方によると、「神さまに向き合うときは、穢れ(けがれ)のない清らかな気持ちを持ち、神さまへの敬意を示しましょう」とされています。鳥居をくぐるだけでも身を清める行為といえますが、よりしっかりと穢れをなくすために、手水舎で禊を行います。

英語では以下のように説明します。

That is a water pavilion / fountain called “temizuya” where you are supposed to purify yourself with clean water.

手水舎に相当するものは外国にはありません(鳥居は “gate” と置き換えることはできますが)。

そこで、無理やり感はあるけれど、形の似ている “water pavilion(水のパビリオン)” や “fountain(噴水)” などで代用して、建造物としての形を表現します。

神聖なものに対して「パビリオン」とか「噴水」っていうのはいささか抵抗がありますが、本当にしっくり該当する単語がないのでしょうがありませんね。

個人的には、大きさや役割を考えると、 “water tent” でもいいかなと考えています。

禊(みそぎ)の作法

たいてい手水舎には水盤が設置されており、柄杓が添えられています(新型コロナ感染防止対策として置いていないところも)。

以下が禊の手順です。英語での説明の仕方も一緒に書いておきますね。

  1. 柄杓を右手に持って水を汲み、左手に注ぐ → 左手が清められる
    Take the dipper with your right hand, scoop the water from the basin and pour it into your left hand.
  2. 清められた左手に柄杓を持ちかえて、右手に注ぐ → 右手が清められる
    then switch the dipper with your left hand, scoop the water from the basin and pour it into your right hand.
  3. 清められた右手に再度柄杓を持ちかえて、左手の手のひらをすぼめて水をそそぎ、その水で口をすすぐ → 口が清められる
    Finally, swithch the dipper with your right hand again, scoop the water, make a hand cup with your left hand, fill the cup with the water and rinse your mouth with the water.

拝殿の前で正しく拝礼を

拝殿の前で正しく拝礼を

最後に拝殿での拝礼の手順を説明します。

神社を参拝する行為は、日本人にとってごく普通の習慣です。皆さんも最低年に一回は神社を参拝しているのではないでしょうか。年始の初詣が代表的な例ですね。

神社を参拝することは「祓(はらい)」の行為の一つとされています。「祓(はらい)」とは、神さまの前で自分の罪や穢れた嫌な思いをきれいさっぱりと捨てて、清らかな気持ちを持って新たな日常を過ごすことを意味します。

拝礼自体はキリスト教やイスラム教にも存在する概念ですから、それほど神経質に説明にこだわる必要はありませんね。なので、神社における拝礼の仕方をシンプルに説明してあげましょう。

  1. 拝殿の天井から吊り下げられた鈴を鳴らす → 自らを祓い清め、神さまをお招きする
    Ring the bell to remove the evil spirit and invite deities.
  2. お賽銭を捧げる → 世間に及ぼした罪を償う(強制されるものではない)
    Throw money into the offering box to compensate for the loss by the guilty (This should be done at your will).
  3. 二礼二拍手一礼を行う
    Bow twice, clap twice and bow once again deeply.
  4. 願い事があれば、それを心の中で述べる
    State your wish (if there is) in your heart.

まとめ

今回は神社の参拝方法とそれを外国のお客様にお伝えするときのフレーズを説明しました。

神社へお参りに行くことは、僕たち日本人にとって日常的なことですよね。

しかし、日本人といっても、いざ外国からいらっしゃった方に参拝方法を説明するのはちょっと難しく感じるのではないでしょうか。

神社の参拝手順は、おおまかに、鳥居をくぐる → 手水舎で身を清める(禊)→ 拝殿で拝礼を行う(祓)、と説明できます。

まずは①参拝の手順を復習し、②その手順に込められた意味を理解し、③それに対応するフレーズを覚える。そうすれば、スッキリと外国の方にも理解してもらうことができます。

皆さんも当記事の説明を参考にしていただいて、ぜひ外国の方に英語で案内してみてくださいね!

それでは。最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

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ABOUT ME
YUICHI
YUICHI
全国通訳案内士
富山県富山市出身。観光庁認定英語通訳案内士。愛知県の航空機関連メーカーで務めたあと、全国通訳案内士国家資格を取得。通訳ガイドとして、訪日外国人の観光ガイドを主に富山、石川、岐阜の観光名所・史跡を案内する。近年はHTML/CSSやPHP、Photoshopなどを使ってWEB制作にも携わっている。趣味はウォーキング、温泉、読書、料理など。

「通訳案内士になって、訪日観光客の皆様に日本の素晴らしさを体験していただきましょう!」
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