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富山のローカルフード【昆布締め】を食べたことありますか?

YUICHI

皆さんは昆布締めという料理をご存知ですか?

ます寿司やぶり大根の影に隠れてしまいがちですが、これも立派な富山の郷土料理です。

栄養満点!しかも保存食なのでテイクアウトOK!!

今回の記事では、個別にあまりなじみのない方のために、昆布じめを買える場所、昆布じめの美味しい食べ方、昆布じめの作り方など、昆布締め概論をお伝えしたいと思います!


富山の隠れた名物 昆布締めをまずは歴史から

昆布締めは江戸時代から富山に伝わる郷土料理です。

しかし富山県内では昆布が採れません。

じゃあなんで富山県には昆布料理が根付いているの?

ってそんな疑問が湧いてきますよね。

富山県で昆布を使った郷土料理が発展した理由、それは江戸時代から明治初期にかけて盛んだった北前船の交易にあります。

江戸時代、北前船は北海道から九州まで日本全国を行き来するための重要な海運ネットワークとして機能していました。

聞いた話によると、昆布の存在は北海道の地元民のみならず全国の行商人たちも認識されていたのですが、昆布の価値や栄養素に目を向ける人はあまりいなかったそうです。

しかし富山の人たちは早くから昆布の値打ちに気づいていました。腐りやすい魚肉を昆布で締めることで、魚肉内の水分が昆布に吸収され鮮度を保つことができるのです。

最近では日本語のもったいないと言う言葉が英語でも mottainai と言って通じるくらいらしいですが、富山の人ははるか昔から、「もったいない、もったいない」と言ってあらゆる自然の資源を大切に使ってきたんだな〜と思いました。そんな日本人の精神性が日本の食文化を創ってきたのでしょうね。

また、富山をはじめ北陸は浄土真宗の信仰の厚い土地柄です。魚をダシとして使わない精進料理の味付け役として昆布が利用されてきたという側面もあります。

なるほど、昆布は信仰心の厚かった北陸に馴染みやすい食べ物だったわけですね!富山に生まれ育った僕も小さい頃から何気なく昆布を食べていたので、何かしらの信仰心を受け継いできたのだと思います。


昆布締めってスーパーで手に入るの?

県外の人にとっては、昆布締めって珍しいからちょっと食べてみたいなと思われる方も少なくないんじゃないかなと思います。

でも、どこに行けば食べられるんだろう…?

そこですよね!確かにます寿司や白えび丼ほど手軽に食べられる感じはありませんよね〜。

実は、昆布締めって意外に簡単に買えちゃうんですよ☆

まずは富山駅の近くで手っ取り早く手に入れたいなら「とやマルシェ 」内の「味の十字屋」。おかえりの新幹線の中でおつまみにどうぞ♫

Info.
味の十字屋 とやマルシェ店
営業時間 8:30-20:30
住所 〒930-0001 富山市明輪町1

また、県内の大手スーパー、「アルビス」や「大阪屋」などの海鮮加工品コーナー。富山県内どこにでもにあるので気軽に買いに行くことができますね。

後は昆布締め料理を取り扱っているお店でパクリ!ってのが一番いいのかな。旅行できている方にとっては、やっぱりプロの調理した料理が印象に残りますからね。


昆布締め料理が食べられるお店はどこに?

昆布締め料理を出してくれるお店として代表的なのは、高岡市の山町筋通りにある「クラフタン」。

Info.
クラフタン
営業時間 :11:00-14:00(月 火 水)11:00-14:00、18:00-22:00(木~日)
住所 〒933-0914 富山県高岡市小馬出町 山町ヴァレー二の蔵
TEL 0766-75-9013

余談ですが、山町筋という街は国の重要伝統的建造物群保存地区(通称 重伝建)に指定されており、長野県の妻籠宿や京都の祇園新橋などと同様に歴史的価値の高い街。

昆布締めというと魚を使うのが一般的ですが、こちらのお店は山菜や鶏肉、さらには豆腐までもが昆布で締めて出されるんですよ。

クラフタンの店内は昆布をあしらったユニークかつおしゃれなインテリアに仕上がっています。しかも、昆布締め料理のほか、美味しい地酒やクラフトビールも頂くこともできます。

僕もクラフタンにはよくお世話になっています。冬にお邪魔した時、カウンターで飲みながらふと外をうかがうと、しっとり降っている粉雪と歴史的な街並みとが相まって映画のワンシーンを観ているようでした。


男ひとり旅から帰ってきたら…おいしい昆布じめを作ってみよう!

楽しい男ひとり旅から帰ってきたら、実際に自宅で昆布締めを作ってみましょう。

昆布はスーパーなどで売っている羅臼昆布や利尻昆布などを使います。

羅臼を使うと濃厚なダシが、利尻を使うと落ち着いた上品な味わいのダシがとれます。

魚の方には、サス(富山方言。カジキマグロのこと)、マダイ、ヒラメなど淡白な魚を選びましょう。脂身の多い魚だと昆布の旨味がなじみにくいので。

作り方ですが、短冊切りになった昆布に刺身を並べて、挟んで、手で押す。そして冷蔵庫に入れてしばらく寝かせる。

非常にシンプル。

ちなみに、冷凍された既製品の昆布締めは解凍しなければなりません(当たり前ですが)。一般的には、冷蔵庫に入れ替えて7〜8時間ほどかけてゆっくり解凍するのがよいと言われています。

丸一日置いておくことで、昆布の旨味が魚肉にしっかりと染み渡ります。

食べる時は、昆布を剥がして食べます。昆布ごと食べても大丈夫だけど、ちょっと硬く感じるかもしれません。まぁ、普通は剥がすかな…。

昆布のうまみがついているのでそのまま食べても美味しいし、何なら普通の刺身と同じようにわさびと醤油をつけて食べてもいいと思います。

それではパクリ!魚に染み渡った昆布の旨味がたまらない!う〜ん、お酒好きにはたまりませんね。

今回の記事はいかがでしたか?

「昆布締め」は、昆布の旨味が魚にしみ込んでいてとても味わい深い富山県のローカルフードです。しばらく保存が効くので、帰りの新幹線や、自宅に帰ってからゆっくり食べてもいいですよ。

ぜひ、富山の思い出の味を堪能してくださいね。

それでは、良い一日を!

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著者プロフィール
YUICHI
YUICHI
全国通訳案内士
富山県富山市生まれ。観光庁認定英語通訳案内士。
愛知県の航空機関連メーカーで務めたあと、全国通訳案内士国家資格を取得。通訳ガイドとして、訪日外国人の観光ガイドを主に富山、石川、岐阜の観光名所・史跡を案内する。近年はHTML/CSSやPHP、Photoshopなどを使ってWEB制作にも携わっている。趣味はウォーキング、温泉、読書、料理など。

「せっかく富山に来たのなら、たくさん楽しんでいってくださいね!」
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